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コーディングの向こう側

言葉の濃度 - PART2

思い当たるふしがある度

薄すぎる言葉

「薄い」言葉は、より一般的な事柄を表現しています。たとえば「プログラマ」とか「デザイナー(設計家)」という言葉が表すものは明確ですが、「SE」はどうでしょうか。「SE」は、あるときはプログラミングをするし、あるときは設計をするでしょう。つまり、「SE」という言葉は「プログラマ」や「デザイナー」という言葉よりも薄いのです。だいいち、システムエンジニアの「システム」とか「エンジニア」という言葉自体がかなり広い意味を持った薄い言葉です。

言葉が「薄すぎる」とは、限度を超えて薄い言葉を使うことによって何も意味しなくなってしまった状態のことです。たとえば「オーディオ&ビジュアル」という言葉は明確ですが、欲張って「マルチメディア」という言葉を使うと急に曖昧になります。いろいろなものを一度に表現しようとするあまり、結局何が言いたいのかよくわからなくなってしまっています。

では「薄すぎる」例のわかりやすいのをどうぞ:

「そのサブルーチンは、できるだけ早く作ってくれ」

薄い薄い、薄すぎるっ。本当は次にように言わなければなりません。

「今週中にそのサブルーチンのインターフェイスを確定して各関係者にアナウンス、実装は来週中に終えてくれ」

濃すぎる言葉

「濃い」言葉は「薄い」言葉よりも具体的な内容を表現します。たとえば「私はコンピューター関連の仕事をしています」と言うよりも、「私はソフトウェア開発会社の社内ネットワーク管理者をしています」と言った方が言葉が濃いといえます。

言葉が「濃すぎる」とは、限度を超えて濃い言葉を使うことによって暗黙の前提条件を必要以上に想定してしまっている状態のことです。「暗黙の」というのが重大なところです。

それでは「濃すぎる」例のわかりやすいのをひとつ:

「この関数の第3引数は int じゃなくて double じゃない?」

こんな風に言われたら、もう第3引数しか眼中に入りませんよね。それは「間違っているのはこの引数なんだ」という暗黙の前提条件ができあがってしまうからです。でももっと視野を広くすることができれば、本当の間違いが他にあるということに気づく可能性があります。ですから正しい質問の仕方は次のようなものです。

「このへんのインターフェイスって、なんか変じゃない?」

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(「コーディングの向こう側」は2000年4月から2001年5月にかけて作成されたコンテンツです。)